約3年半愛用したα7IVを手放し、先日発売されたばかりの『SONY FX2(ILME-FX2B)』に買い換えました。α7IVも素晴らしいカメラでしたが、ここ最近は静止画より動画撮影で使うことが多く、それなら動画撮影に特化したFX2のほうが便利だと思い、買い替えを決めました。

α7IVは「写真も動画も撮れるハイブリッドカメラ」でしたが、あくまでも静止画撮影がベースでした。対してFX2は動画撮影に特化したデザインになっていて、上部にモードダイヤルはなく、かわりに録画ボタンやジョイスティック、カスタム可能なボタンなどが配置されています。
そして、なんといっても特徴的なのが「チルト式電子ビューファインダー」です。アラフィフの老眼おじさんなので、液晶モニターだけで静止画撮影するのは厳しくなっていますが、FX2なら写真撮影も快適に行えます。


ファインダーにはアイピースカップを装着可能。左右どちら向きにも対応しているので、左目派の人も安心です。ちなみに自分は右目でのぞいてます。
このファインダーはα7IVとほぼ同じ約368万ドットですが、倍率は0.70倍で、α7IVの約0.78倍より少し小さく見えます。動画撮影時に全体を見渡しやすいよう考えられた仕様だと思いますが、自分はメガネを使っているので、このくらいの倍率のほうが見やすくて気に入っています。

液晶モニターを開くと、冷却ファンが見えます。α7IVでは長時間の撮影で本体が熱くなり、警告が出ることもありましたが、FX2なら安心。さらに、このファンは液晶を閉じた状態でも排熱できるよう、隙間を設けた絶妙なデザインになっています。

静止画と動画の切り替えスイッチも便利です。α7IVにも切り替えレバーはありましたが、「静止画/動画/S&Q(スロー&クイックモーション)」の3種類だったので、あまり使わないS&Qを間違えて選ばないよう気をつけていました。ここはFX2の方が使いやすいです。

デュアルスロットで、どちらもSDXC/SDHCメモリーカード(UHS-II/UHS-I)に対応。スロット1はCFexpress TypeAメモリーカードも使えます。この仕様はα7IVと同じなので自分は気になりませんが、プロ向けのシネマラインなので、両方ともCFexpress TypeAに対応してほしいという声も多いと思います。

FXシリーズには、リグなどを使わなくても、さまざまなアクセサリーを装着できるようにネジ穴が複数配置されています。本体底面にはネジ穴が2つあるので、スライディングプレートなどを使う場合は2点でしっかりと固定できます。

また、グリップ部分にもネジ穴があります。ショート動画の撮影で縦構図を使うことが増えたので、ここにプレートを付ければリグなしでも縦動画が撮れます。


ただし…グリップ右側にプレートを付けたままだと手持ち撮影はやりにくくなるので、別の方法も試してみようと思います。

左側面の端子類はこんな感じです。マイクとヘッドホン端子は下部にあり、蓋なしで直挿し可能です。FX2は防塵防滴に配慮されたカメラになっていますが、この部分が剥き出しでも大丈夫なのか不安になりますね。
また、マイク端子が下部にあることで、バリアングルを使った自撮り撮影だとケーブルが邪魔になりそうです。もちろん、モニターの背面にケーブルを回すなどの対処法はありますが、少し気になりました。


ちなみに、このRODE Wireless MEを取り付けると、チルト式ファインダーに干渉して動かせなくなります。

SONY純正のショットガンマイク「ECM-B1M」を装着してみました。この場合もチルト式ファインダーが干渉するので、真上に向けることはできません。液晶モニターを使えば問題ないものの、機材によっては可動が制限されることもあるので、そのあたりは知っておくといいかも。
実際に使ってみると、スチル機とは違うメニュー画面にちょっと戸惑いました。「BURANO」や「VENICE 2」にあるBIG6というホーム画面や、log撮影、ベースISO感度など、今まで使ったことのない機能も多く、慣れるまで時間がかかりそうです。



FX2での動画撮影は、4K60pだとSuper35mm(APS-C)にクロップされます。さらに120pはフルHDのみ対応なので、本格的な動画カメラを求める人には少し物足りないかも。自分のように4Kは30pがメインで、α7IV並みの性能があれば十分な人なら問題ありませんが、FX2だけで動画をガッツリ撮りたい人には気になるポイントが多いかも。
ちなみに、α7IVから乗り換えてよかったポイントを少し書いておくと…
- 手ぶれ補正「ダイナミックアクティブ」が強力
クロップされるけど、ヌルヌルで安定した動画が撮れる - AIプロセッシングユニットでAF性能アップ
α7C IIに入ってて羨ましいと思っていた機能 - 静止画でも「S-Cinetone」が使える
動画用の色味を写真でも楽しめる - 新しいクリエイティブルックが追加
大好きな「FL」に追加で「FL2」と「FL3」が増えた - 冷却ファン搭載で長回しも安心
長時間の撮影でもオーバーヒートの心配が激減
SONYのカメラは、JPEG撮って出しでも雰囲気のある写真が撮れる「クリエイティブルック」が好きなんですが、FX2には新しく「FL2」と「FL3」が増えました。実際に使ってみると「FL2」の雰囲気がめっちゃよかったです。



動画や写真の作例は、もう少し使い込んでからにしますが、FX2はα7IVとほぼ同じ性能なのに、撮影の楽しさは一気にアップしました。もちろん、α7IVの方が良かった部分(動画の美肌補正がないなど)もありますが、やっぱり新しいカメラは嬉しいし楽しいです😊 それじゃ、また!