Blackmagic Designが「ATEM Mini」の上位モデル『ATEM Mini Pro』を発表しました。自分は下位モデルのATEM MiniをYouTube動画作成やゲーム実況で愛用していますが、35,980円(税抜)という価格とは思えないほど高機能なライブプロダクションスイッチャーなんですよ。
ATEM Miniは複数のカメラを接続してスイッチングしながらライブ配信を行ったり、SkypeやZOOMでプレゼンする時に役立つ機材になるので、ウイルス関連で中止になってしまったイベントをオンライン開催する目的などで最近爆発的に売れています。
下位モデルのATEM Miniでも十分な機能を備えていますが、今回発表された「ATEM Mini Pro」は、単体でYouTubeライブを配信出来たり、マルチビューに対応したり…ATEM Miniの存在意義が危うくなるほど進化しています。
ATEM Mini Pro(エーテムミニプロ)
まずはデザインと価格をチェックしていきましょう。海外でATEM Mini Proは595ドルで販売されます。日本国内では67,980円(税抜)になりますが、税込だと74,778円になるので…35,980円(税抜)のATEM Miniと比較するとグッと高くなった印象です。
次にデザイン的な部分ですが、本体のサイズ感やデザインはほぼ同じです。では何が違うのか?それは操作可能なボタンの数です。無印ATEM Miniにはなかった「REC」「ON AIR」、VIDEO OUT関連のボタンがFTBボタン上部に増えています。
このボタンを見ればどんな機能が追加されたのか分かると思いますが…それぞれ順番に紹介していきます。
単体でYouTubeライブへの配信が可能に
イーサネットを介してYouTube Liveに直接ストリーミング可能になりました。ATEM Software Controlというソフト側にライブ配信に関する設定が追加され、YouTube、Facebook、Twitchなど使いたいサービスを選び、ストリームキーなどを入力するだけで他の配信ソフトを使わずにライブ配信が可能になっています。
そして先ほど説明したように本体側に「ON AIR」ボタンがあるので、配信開始時はATEM Mini Proのボタンを押すだけで簡単です。
マルチビュー機能が搭載されました!
これまで発売されていた「ATEM Mini」では、画面を切り替えるまで接続したカメラの映像を確認する事が出来ずスイッチングをする担当者が狙ったシーンを表示する事は不可能でしたが…ATEM Mini Proでは4台のカメラに加えて、メディア、プレビュー、プログラムを確認可能になりました!
また、同じ画面でライブ配信状況の確認やレコーディングの状況、オーディオのステータスなども確認可能。これはマジで凄い。今までATEM Miniにマルチビュー機能があれば完璧だったのに…と悩んでいた方には嬉しいアップデートだと思います。
とはいえ…最近ATEM Miniを買ったばかりの方からすると悔しいアップデートになったかも(笑)
MP4をSSDに収録可能!
これまた嬉しい機能なんですが…USB-C端子部分の表記が「WEBCAM OUT」から「USB OUT」に変わりました。これで何が変わったのかというと…「配信データをUSB-C端子に接続したSSDに収録可能」になったんです。
これをうまく使えばパソコン側の負担を減らす事が出来ますし、USBハブやBlackmagic MultiDockを使用すると、複数のディスクへの収録に対応しているそうなので…生放送収録後にクライアントに即納品なんて事も可能になるかも。
まとめ
今回はATEM Miniには搭載されていなかった機能に絞って紹介しましたが…これから「ATEM Mini」を買おうと考えていた方はProと無印のどっちを買ったらいいのか迷うと思います。
例えば自分のように「複数のカメラを使ってYouTube用の動画を撮影したい、配信したい」もしくは「グリーンバックを使ったクロマキー合成を気軽に試したい」という方であれば、価格の安い「ATEM Mini」で十分満足出来ると思います。
逆に「ATEM Mini Pro」が必要な方は、編集側にいる人です。演者は別にいてスイッチングやカメラの操作をやりたい方だったら「ATEM Mini Pro」の新機能は魅力的だと思います。この機能で約7.5万円だったら安いくらいかも。
これで2021年くらいに4K出力に対応したATEM Miniが10万円くらいで発売されたら、他のメーカーは太刀打ち出来ないと思います。ATEM Mini 4Kにめっちゃ期待してます(笑)それじゃ!また!